YouTube

今週のオススメ棋戦情報

動画

書き起こしのAI要約

  • 三村智保は囲碁棋士で、今週の棋戦情報を紹介する。
  • 彼の道場は市川子ども囲碁道場で、背景には藤沢秀行先生の書が飾られている。
  • 本因坊戦が行われ、本因坊文裕さんが逆転勝利で最終局へ。
  • AIが登場してから、観戦者が形勢を分かっているつもりになることがある。
  • 中国では倡棋杯が行われており、柯潔さんが王せいこうさんに負けた。
  • 国内棋戦では、木曜日に幽玄の間で中継がある。
  • 河野光樹八段は坂田栄男九段門下で、坂田先生はNHK杯を見ることが最大の勉強だと言った。
  • 河野君は30年経ってようやくNHK杯に出場し、彼にとって重要な大会である。
  • 7月16日のNHK杯囲碁トーナメントは必ず見てほしい。三村智保からお願いする。

書き起こし

おはようございます囲碁棋士の三村智保です。ちょっと今日はね、変わった形で撮っているんですけども、今週の棋戦情報というのをやっていきます。
ちょっと操作は慣れてないんですけど、これね、背景になってる画像は私の道場ですね。市川子ども囲碁道場の一部分を背景にしています。

まあ本棚と藤沢秀行先生の書が飾られていて、左の方はパソコンエリアですね。今週の棋戦情報いくつかあります。まずねなんといっても本因坊戦ですね。本因坊戦が昨日火水と行われた11、12と行われて本因坊文裕さんがなんと逆転勝利で3勝3敗、最終局へ。ということで、すごい盛り上がってきましたよね。

グラフ見たらわかるんですが最後のとこでストーンと下がって大逆転と言われたんですけども。これは終局場面ではないんですけど最終的にはこうなったんですけど碁の解説は一切私はできませんけども。そうですね打ってる選手とその見てる選手って、今までと違うんですよね。AIを使って局面の形成判断を見ていると、こっちがもうはっきりいいなとか思って、井山さん負けちゃったかなとか思っちゃうんですけど、実際に走り続けてる選手達っていうのは、もうほんと僅差だと思って打ってることが多くて。これは本当にAIが登場してからですね、観戦者が形勢を分かってるつもりになっちゃうところがあります。

私はAIを見ながらずっと張り付いていたわけではなくて、昨日ちょっと余裕がなくて最後に終わった後にバーッと手順を見たんですけど。評価値があったとしてもよくわからない。どうしてここでこんなに差がついてるのかわからないし、最後の最後まで本当に難しい、生きるか死ぬかの戦いが続いていた。という印象でその大逆転という感じを私はしなかったんで。対局者もそこまで差がついているとは思ってなかった可能性があると思いますね。

報道的には大逆転で最終局へ、みたいな感じになりますけどね。とにかくこれはね7月19日からかな1週間後に最終局第7局、最後の本因坊戦7番勝負となる可能性がありますんで、そういう意味でも歴史的な大勝負。さすが井山先生見せますね、すごい1-3から追いつきました。このパターンよく見るんでどうなるでしょうか。絶好調一力先生も、ちょっと精神的に有利なところから一気に追い詰められた感じはありますよね。

ということで次はですね、今中国では倡棋杯っていうのをやってますね。準決勝3番勝負で柯潔さんが王せいこうさんに負けたんですね。3番勝負の1局目を負けた。久しぶりに勝ち上がってきたんですけど、準決勝で1局目をまず負けたと。そのまあよく見る名前ではあるけれども王さん辺りにちょっと勝てなくなってきているのかな?という柯潔ブランドがなくなってきちゃってるんじゃないかなっていう。特にねなんか大きなポカをしたという雰囲気でもないんですけども普通に数年前の無敵状態から今は変わってきたのかな、と思わされますね。

これは形勢行ったり来たりで、まあいい勝負だったという印象ですけども、ここでね少し踏ん張って優勝をやっぱりしておかないと存在感を失っていく可能性はあるかなと。みんな別にまあ勝てるな普通に、って思い始める。そういう効果も大きいですよね。やはり国内でバンバン買ってで世界戦に出て申眞諝さんと戦うというところを見たいんですけども。どうなんでしょうねピンチです。ところでもう1つの準決勝はですね江維傑九段と羋昱廷九段。この人もねちょっと名前の呼び方微妙なんですけど、ビ・イクテイと言ったりねmiyutingとかいう中国っぽく読んだりとか、そのここはっきりしてない。読めない字なんですよね日本語的に読めない字が入っているんです。だから漢字で読まなきゃ本当はいけないけども日本語読みにするのが難しくて呼びにくい棋士の一人なんですけども。トップ棋士ですね。

この方は割と若い方のトップ棋士ででちょっと前の世代の江維傑さんが勝ったんですね。久しぶりに決勝出てくるかっていうところ。一番若いの王さんなのではないかと思いますが、ちょっと今回は最近の勝ってるメンバーとはちょっと変わっているところを感じます。

続いて国内棋戦今日は木曜日なんで中継いっぱい幽玄の間であるんですけど棋聖戦AリーグBリーグうーん、羽根直樹九段に張瑞傑六段が挑戦しますねこれは面白い。私的にはかなり注目の一戦ですね、20代の若手がね40代の元チャンピオンに挑戦すると。伊田篤史ー余正麒まあこの辺りはしょっちゅう戦っているかなりタイトル戦に近い2人。沼館七段と呉柏毅五段、これも面白いところですね。広瀬王座戦本戦、これも面白いな。十段戦予選A、これはまあ本当に予選という感じですけどね。

福岡4段、竹下2段、これはでもプロ入りしたての竹下2段と福岡さんもうちょっと注目ですね。これどれぐらいの力関係なのか、注目です。とにかくこれですよ杉内寿子8段と柳原咲輝初段、ものすごい年齢差ですね。ギネス級ですね。女流名人戦予選Bでこれはね幽玄の間中継されるんですがこれが今日のメインと言ってもいい。

7/16のNHK杯は私が解説でもあり、ぜひ皆さん見ていただきたいんですけども、河野光樹八段私が一緒に道場をやっている仲のいい仲間ということで、そういうこともあって彼のこと詳しいので私は解説として選ばれたというところもあります。彼はプロ入りして約30年ですね。で初めてNHK杯に選ばれたということで去年の成績が良かったわけですけども、49歳で初めて、これなかなかねない記録だと思いますね。滅多にない記録です。そのあたりの話もしていますし、あとはあのタッチパネルの碁盤ですね。あれの解説も初めて挑戦をしましたのでぜひそのあたりも。結構慣れるまで大変だなっていう感じはあったんで、見ていただけたらと思います。

本局のポイントと言いますか、河野光樹8段は坂田栄男九段門下なんですよ。坂田門下の棋士ってあんまりいないんですけど。
坂田先生ってそんなにお会いして話したことはないんですけども、対局の姿とかは私は見ているんですけども。
坂田栄男先生は師匠藤沢秀行先生のライバルだった方ですけども、名誉NHK杯を持っている方なんですね。NHK杯での優勝がとにかく多い。それで河野くんから聞いた坂田先生のエピソードが(これ貴重ですよ)

「囲碁が強くなりたかったら一番勉強になるのはNHK杯を見ることだ」と。アマチュアの方へのアドバイスではないんですよ。これがプロ棋士として、しかも無敵のチャンピオンだった坂田先生がNHK杯を見るのが一番の勉強だと言ったそうです。

とにかく当時その時のトップ選手たちが碁を打っていて、トップ選手が解説をしているのだから、これを見るのが一番勉強になるに決まっていると言ったそうなんで。これは正直私の感覚で言うと意外ですね。意外なことですね。持ち時間も短いですし、タイトル戦の、7番勝負とかと比べればそこまで重要視していなかったりするんですけども、勉強としてはね。
やはり早碁だからちょっと内容が、長く考えた碁に比べればちょっと。どっちの格が上かと言ったらやはり7番勝負、とかね。
タイトル戦の長い碁の方が上なのかなって思っていたところを、坂田先生はNHK杯を見ることが、最大の勉強であると。解説を見ると解説も坂田先生から見たらむしろ自分よりね弱いっていうか自分の方が上なのにその解説を見て自分は学ぶとこれ本当にびっくりしたんですけどこれも河野君から聞けた貴重な情報です。
ということでで坂田門下としてその話を聞いた河野君は、早くこのこの大舞台に出たいなと思っていたと思うんですけど、なかなかその機会がなく30年経ってようやく出られた。彼にとってはもう私とか以上に、もうこのNHK杯は重いんです。このNHK杯に出るって事がものすごく長い期間温めた大きなものなのではないかと思います。

その河野八段の魂の震えというものを感じていただけたらと思います。私の解説もぜひお楽しみいただけたらと思います。感想とかもちょっとこうしたらいいよ、とかそういうのもあったら、ここが面白かった、とかね。そういうのもフィードバックがもらえると今後に活かせますので。
ぜひ今週だけは、普段NHK杯を見てない方も今週だけは見てください。今週の7月16日、テレビ12時半からNHK杯囲碁トーナメントは必ず見てください。録画して何回も見てください。私、三村智保からお願いします。今回は今週の棋戦情報についてお話しました。よかったら高評価、チャンネル登録をお願いします。三村智保でした。ご視聴ありがとうございました。

-YouTube