晴れてプロ入りした棋士がトップ棋士に胸を借りる。新人棋士の最初の晴れ舞台、強さとキャラクターを全囲碁ファンに示す機会になっているのが、この週刊碁の「新初段シリーズ」だ。
私が新初段の頃は無かったが、胸を貸す側で対局した事はある。
今年は日本棋院の思い切った改革により、女流棋士がなんと8名も内定した。
男性の新棋士と合わせたら何名いるのか?新初段シリーズも大変なことになりそうだ。
その中でも最年少棋士、英才枠採用である仲邑菫初段の対局が公開で行われた。
私は幽玄の間中継の解説をしながら見ていた。
菫ちゃんの事は小さい頃から知っていて、私の道場の生徒でもある。
ここまでの公開対局で負けている事は、相手の強さからして気にすることは無い。だが内容が良くない碁が続くと心配になる。
勝つにしても負けるにしても、実力を発揮して自分らしい碁を打って欲しいと思っていた。
マスコミや世間からの彼女への注目度は、予想を大分上回るものになっていて、打つたびに、話すたびに沢山のカメラに囲まれている状況で、落ち着いて碁を打つことは難しい筈だ。
しかしテレビで後に見た、本局の菫ちゃんの対局態度には意外に落ち着きを感じた。
既に慣れて来ている。大舞台で注目されることに関しては、心配ないかも知れない。
その序盤戦について動画で喋ってみた。今回は10分を超えて、少し長いが如何だろうか。
白の黒嘉嘉さんが厳しめに仕掛けて来たので、いきなり激しい戦いになった。
私はじめ応援団のおじさん達には心臓に悪い進行で「序盤早々ツブレなければ良いが」という気持ちだったが
菫初段は怖がる様子は全く無く、険しい戦いをうまく処理したと思う。
むしろ急戦になった方が、彼女は打ちやすい。という面はありそうだ。