今日から、名人戦七番勝負第3局が鹿児島県で行われる。
これは初日昼休憩時点の局面。
白2から4と、ナナメに進出しているのがユニークだ。
ここまでの進行、主催者様の迷惑にならない程度にポイントだけふれてみたい。
くわしくは朝日新聞の囲碁名人戦のページで手順を見ることができる。
最近は黒白ともに、星打ちが増えている。そしてカカリに手抜きが非常に多い。すべてAIの影響だ。
井山名人の黒1コスミツケはAlphaGoLeeの手。ハサミがある時以外は、打ってはならない手とずっと考えられて来た。
どうもコスミツケの交換は損になら無いらしい。ならば、白に手抜きの余裕を与えないメリットが有る。
そして黒Aの両掛かりに、白1が重要ポイントである。
少し前まではBが常識だったが、一気に見なくなった。
私はまだ仕組みを理解できていないが、みな順応が速いものだ。よく解らないから打ってみている、という可能性もあるかも知れない。
そして左辺で折衝が起こっている。黒1コスミは手筋で、むやみにアタリで追いかけないのがコツである。対して白2が基本の手なので、知らなかった方は覚えておいて欲しい。
この様に打てばしっかり繋がって、取られにくい。
張栩九段のコスミは工夫した手で、AIも「コスミ逃げ」をよく使う。
ノビで逃げるよりも危険だが、ギリギリまで石を効果的に進めようとしているのだ。
うっかり一間トビなどと打つと、たちまち取られてしまう。ダメヅマリで怖い形なのだ。
深ーい読みが無くては打てない、キワドイ手なのである。
1目、半目の得のため、こういう細かい工夫を重ねるのがトッププロの碁で、少しでも感じながら、今後の進行をお楽しみ頂けたらと思う。