三村九段のココだけの話

囲碁道場が目指すもの

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▼答えられなかった質問▼
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日本棋院のYouTube番組「ポン抜き情報局」に出演したことは以前書きました。

テレビ囲碁番組でのお仕事とは違うカジュアルな雰囲気だったので

「ミム先生」「こずえちゃん」「ヒラタ君」とか普段喋りが楽しかったです。

 

その中で司会の長島梢恵さんが私に様々な質問をして、1つうまく答えられなかったものがありました。

 

それは「道場での指導において大事にしていることは?」
というものだったと思います。

 

私はその時、答えがうまく出て来なくて軽く流すようなコメントをしたのですが

梢恵ちゃんが後に別の話の流れの中で、その質問をもう1度したのです。

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▼確かにそこは重要やが▼
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梢恵ちゃんはこの日、市川道場のポロシャツを着て収録に臨んでいました。
(誰も着ないけど一応あるんです)
(10年前くらいに作ったオリジナルポロ)

 

それくらい道場の宣伝のために色々考えてくれてた梢恵ちゃんが
用意していた「重要な質問」だと感じました。

でも2回とも上手く答えられなかったのです・・・😅。
(全国に市川道場の良さをアピールするチャンスが…)

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▼そう言えば過去にもあった▼
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今思い出したんですが、以前新聞の取材を受けた時にも、同じことがありました。

「囲碁道場の指導で目指すものは何でしょうか?」

「指導でのコダワリは?」

 

に対して

・礼儀正しく囲碁を打って欲しい。
・練習して成果が出るという体験をさせたい。
・全国優勝するような子供、世界に通用する強いプロを育てる。

など 細かい具体的なことは思いつくのですが、何を言ってもスッキリしない自分がいました。

 

全体を一言で言えるような言葉が出てこないのです。

そう、分かりやすくて大きなビジョンが無い。その時、記者さんも不満そうだったのを覚えています。

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▼そして考え続けた▼
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梢恵ちゃんから2度のキラーパスをもらったのにシュートを打つことさえ出来なかったことについて、何日も何日も考え続けました。(今も考えています)

 

「なぜ言葉が出て来なかったのだろうか」

「何と言うべきだったのだろうか」

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▼次に聞かれたらこう言おう▼
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それで確認できたことは、自分が「遠くにある大きなビジョン」を掲げて生きてる人間では無いことでした。

 

都合よく解釈するなら「今を楽しんで、今に専念している。」という感じでしょうか。

ただ遠くを見てはいないけれど「今の自分のあり方」にはコダワリがあります。

 

【指導者としてのあり方】

  1. 上から教えるのではなく共に考える。
  2. 誰よりも先生自身が囲碁にハマっていて、学び続け、戦い続けている。

【道場のあり方】

  • 囲碁を好きで良心ある者たちが集まり、競いあい、学び成長する。
  • 幼児も大人も、初級者もプロもまるっと受け止める。
  • そのための必要なものが全て揃っている場所。

 

いやいや生徒にとっては「どんなサービスが受けられるか」が重要で「先生の生き様」なんてどうでも良いよ語るなよ、って思う方もいるかも知れません。

 

でも囲碁を指導する時、こういうことが意外に大きな効果を生むのではないかと思ってます。

 

私の師匠である藤沢秀行名誉棋聖がまさにそういう方でした。

秀行先生の人生を掛けた囲碁への真摯な取り組みを少年時代に近くで見られた事が、何より私の財産になったのです。

多くの名人を育てられた木谷實九段もそういう方だったと聞いています。

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▼ビジョンを持つ▼
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滅多に聞かれることはありませんが、今回はビジョンを持つことについて考えさせられる良い機会となりました。

こういうことを普段から伝わりやすい言葉にまとめておく。今後は意識してやっていきたいと思います。

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