今回は囲碁AI活用方法などについて、私の考えをお話したいと思います。
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▼囲碁AIが見せてくれるもの▼
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これを書いている2020年後半の時点、囲碁AIのツールも随分増えて
追いきれないくらいになっていますが
機能はどのソフトもほぼ同じで、この2つです。
- AIと対戦する
- 自分の棋譜を評価してもらう
打つ相手がいない方には①が良さそうですが
ハンデを沢山もらう必要があって、AIというのはこのハンデ対局が苦手です。
勝ち目が無さすぎて投了したり、暴走した打ち手になってしまったりします。
3子(三段差)のハンデくらいでもう、まともに打てなくなるものが多いです。
(目数評価が出来るAIはそうでもないですが)
相手が弱い前提での打ち方というのが出来ないのです。
それで僕ら棋士も含め、②をメインで使うことになります。
自分の打った碁を手直ししてもらうのです。
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▼AIはPCスペックで変わる▼
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2020年後半時点、公開されているフリーソフトで充分、僕らプロが学べる強さです。
ただし同じソフトを使っても、パソコンのスペックで強さは随分変わります。
私より少し弱いこともあれば3子置いてもヤバいレベルまであって
この差は、棋譜解析の時に示す評価値やオススメの手順に反映されます。
使うパソコンによって教え方が少し変わるのです。ソフトの違いよりもこちらが大きいと思われます。
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▼高いパソコンは何故高い?▼
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高いパソコンというのは、いわゆる「ゲーミングPC」のことになります。
ゲーミングPCはグラフィック性能に特化していて、この画像処理の性能が囲碁の強さと関係があるのです。
ご家庭用の普通のパソコンには、GPU(画像処理を高めるエンジン)がありません。
その分、AIの棋力は弱くなります。そしてGPUがあるゲーミングパソコンの値段が高いのは、GPUが高価なものだからなのです。
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▼高けりゃ良いのか?▼
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でも安心してください。
私は「高くないPCで囲碁AIを使う」事を生徒たちに勧めています。
先述したように、AIは相手の強さに合わせた指摘はしてくれません。
たとえばアマ初段の方が囲碁を学ぶときに、最強レベルの囲碁AIの強さとの差は
「3才の子供とプロレスラー」くらいあります。
プロレスラーの骨格と筋力があるからこそ出来る最強の技を、3才児の格闘大会(そんなの無いですが)に出る選手が取り入れても、勝率は上がらないでしょう。
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▼セオリーを学ぶため▼
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囲碁には定石や手筋などの「大抵の場合上手くいくセオリー」と、「その状況だから成立するレアケースの手」があって、強いAIは後者を見つけるからより強い面があるのです。
殆どの方はそれらを見分けるのが難しいと思います。
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▼ハイスペックは七段以上▼
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スペックの低いパソコンでの囲碁AIは「力技では無いシンプルなテクニック」を中心に指摘してくれる傾向があります。多くの方にとって、そちらから学ぶ方が良いと考えています。
そして七段以上(段も色々ありますが)のレベルになったら
ハイスペックなPCでAIを使う意味が出てくるかと思います。
そこでは常に最強の技が示されます。
プロが見ても意味を理解するのが難しいので、取り入れ方を間違うと自分の碁がバラバラになる危険もありますが
時間をかけて繰り返し繰り返し学んでいけば慣れてきます。
もちろん、その打ち方に耐えられる、スピードと跳躍力をつける努力も必要となります。
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▼まとめ▼
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囲碁AIは事実だけを示して、理由は一切説明してくれません。
学ぶ際には無駄に理解しようなどとせず「丸ごと呑み込む」のが良いと思っています。
AIからの学習には向き不向きもありそうです。
丸呑みが出来ない人、説明してもらって理解しながら進みたい方は、ストレスを感じるかも知れません。
ということで
ハイスペックなゲーミングPCで囲碁AIを使うのは、殆どの囲碁愛好家には勧められない、というのがこの時点での私の結論となります。参考にされてください。