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▼上田崇史四段の教えを共有します▼
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私がやっている「市川こども道場」の先生のひとり「上田崇史プロ」
40代の男前独身棋士です。
以前は日本棋院のジュニアスクールの講師をしていて、その後私の道場で指導をしてくれるようになりました。
子供への指導に関して、私よりも経験豊富です。
そんな上田先生に、生徒たちの練習法や教材作りの方向性について意見を聞いた時のことでした。
普段もの静かな上田先生が突然、熱く上達理論を私に語り始めたのです。
それが私にとって超絶学びが得られる内容だったので、皆さんにも共有したいと思います。
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▼【結論】布石は最後に学べ▼
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題名から丸出しですが・・・
まず「布石」とは囲碁の初めの打ち方のことを言います。
(序盤とかも言います)
その布石の指導を生徒たちにもっと上手く行う方法について、私は上田先生に相談したのですが
それに対する答は
「布石は後回しにするべきだ」
というものでした。
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▼布石は囲碁で一番むずかしい▼
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その理由は「囲碁の技術の中で一番難しいのが布石だから」。
というのです。
思いもしない言葉でした。
すでに習得している人にとって布石は「自由で易しい」イメージがあります。
(私はそうです)
(布石で大怪我はない)
しかし、初級者たちにとって布石は「なにより難しいもの」だというのです。
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▼なぜ布石は難しいの?▼
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布石では、碁盤全体を見て、価値の高いところを選んで石を置いていきます。
まずその全体を見ることが難しい。
(碁盤ってとても広い)
そして全体を見て判断をするためには、部分の状況が分かる必要があります。
活きているのか、死にそうなのか、取れそうなのか、全く狙えないのか、など
部分部分を判断したものを合わせて、全体の中で優先するべき大きい場所が選べるわけです。
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▼全局判断は部分の理解の上に成り立つ▼
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囲碁の打ち初めの局面では石が少なく、戦いも起きていないので
アマチュアの人たちにとって悩みは少なく、易しいのだと思っていたところが私にはありました。
しかし布石のような全局判断を、部分を学ぶ前に行うのは無理がある。
だから難しいと上田先生は言うのです。
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▼部分からマスターしよう▼
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ということで、囲碁を覚えはじめの時期から初段くらいまで
つまり私の道場の生徒の大半がそうですが
「布石をキレイに打つとかは気にしないで好きに打てば良い」
だそうです!
死活の問題、石取りの問題にひたすら取り組んで、部分の技術を磨くことに専念するのが上達の近道!
と上田先生は言うのです。
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▼棋譜並べはいらないの?▼
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布石の打ち方を先生から習ったり、自分が打った内容を手直しすることは、5級くらいまでは不要だとのことです。
私の道場の棋譜並べ教材で、ほどほどにキレイな碁を見ておけば
- はじめは「隅から打つ」
- カカリに受ける
- いきなりくっつけない
くらいの基本は自然に身につきます。
問題を解く練習だけでは飽きも来る。という意味でも棋譜並べはあった方が良い。
でもあくまで優先されるのは問題解き。という見解でした。
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▼大人が習う囲碁では?▼
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囲碁を打つ大人たちは「部分学習」の比率が多くありません。
余暇ですので楽しみ重視、時間をかけて練習する習慣がない事が多いのではないでしょうか。
大人の碁は子供たちに比べて、習った布石をちゃんと打って、囲碁がキレイです。
子供と打つと布石で大人たちはリードします。
そして部分の戦いになると子供たちが力を出すのです😁。
本当は大人教室でも、もっと部分(ヨミ)を練習するべきなのは、私も実感しているところです。
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▼「誌上認定」への疑念▼
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巷で売られる囲碁雑誌、囲碁新聞には段級位を認定する問題があって、そこには必ず布石の問題が出ています。
道場の子供たちにそれを解かせると
部分問題は楽々解けて、布石の問題は解けない・・という事が多いのです。
それだけ難しめの全局問題が出ています。
布石、全局問題で次の1手を当てる能力が重視される設定になっています。
こんなことを書くと怒られそうですが😅
それだけ「日本の大人の囲碁」は雰囲気重視になっている可能性があります。
ともかく、私の子供道場での指導方針としては
勝敗に直結する「部分を解決する能力」ここに目を向けていこうと今回改めて思いました。
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▼まとめ▼
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- 布石は囲碁で一番難しい
- それは全局判断だから
- その前に部分の学びに専念しよう
- 大量に問題を解く=囲碁の上達
如何でしょうか。囲碁の上達を目指す大人の方も子供たちも、参考にして頂けたら幸いです。