2020年に新型コロナが世界を襲ったことで、誰もが仕事から学校からすべて激変しているわけですが
今回はコロナ禍での私の「囲碁道場」と「囲碁サロン」の経営の話などをしてみましょう。
いちおうこれを書いている2021年2月現在は、どちらもツブレの心配はなさそうです。
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▼はじめは危機感ゼロ▼
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2020年1月に新型肺炎が騒がれ始めた頃、私よりも先に妻の「三村芳織三段」がとてもナーバスになっていました。
このまま道場を開けておいていいのかと毎日、言われてましたが
私は「え?そんな大げさな」という気持ちでした。
感染症で営業を止めなくてはならない様な状況を経験したことが無かったので、リアルに想像することが出来なかったのです。
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▼いきなり来た▼
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道場のすぐ目の前にある「イオン」のフィットネスクラブで陽性者が出たことが非常に大きかったです。
ニュースを見て本当に驚きました。「すぐ目の前の建物じゃないか!」
ある意味これのおかげで腹をくくる事が出来ました。
まず、うちの子が通う「市川小」が休校になり、じきに市川市全体で休校が決まり
それに合わせて道場も2月4週目から休業に入りました。
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▼途切れさせたくない▼
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市川道場にはプロを目指す生徒たちが10名程いまして、毎日通って来て真剣に練習しています。
この子たちにとっては
道場の休み=訓練が出来ない=夢が遠のく
ですので、途切れさせたくないという気持ちは強かったです。
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▼お金のもんだい▼
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道場の隣にある「囲碁サロン天元」もほぼ同時に休業しまして、売上はゼロになりました。
私はこの2つのお店を営業するためにJR市川駅前のテナントを借りています。
この毎月の支払いの重みが、初めて私にドシッと伸し掛かって来ました😅。
もともと商売として成功していたお店では全然なく
(やりがいは超感じてます)
最悪でも自分がタダ働きになるだけで、収支がマイナスになる心配はなかったのですが
それが突然、閉店の危機を感じる状況となりました。
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▼長期化するとしたら▼
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2,3ヶ月なら耐えられても、このコロナ禍が半年続くか、数年続く可能性もあるとまで言われているのを聞くと、胃にグッと来るものがありました。
赤字が続けば妻に撤退を言い渡される。私はやめたくはありませんでした。
実際この時期、相当数の囲碁サロンが閉店されています。
良い場所に店を構えているところほど、規模が大きいところほど、家賃負担の厳しさで保たなかったのだと思います。痛恨の思いで閉められたことでしょう。
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▼閉店か移転か▼
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閉店を検討する以外に、駅前からもう少し引っ込んだ場所に移る事も考えました。
その場合には、碁盤と石の移動、片付けなど、メチャクチャしんどい労役シーンが想像されました。
とりあえず、それをしないで済んだことは本当に良かったと思っています。
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▼たった1つのシノギ筋▼
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結局、自粛期間中、道場の休業期間中も毎日参加してくれた生徒が一定数いた事が道場の存続に大きかったのですが
それを助けてくれたのはネット道場でした。
私の友人が開発した囲碁オンライン教室ソフトで
毎日通っていた生徒が、インターネットで練習を続けられたのです。
これは子供向け囲碁教室をやっている人の中でも、おそらく私だけがやって来た事だと思います。
4年くらい前から細々と続けていたものが、いきなり大ブレイクした、という感じです。
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▼30名をサバく▼
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このネット道場を使って、生徒以外の子も参加できる特訓イベントも行いました。
囲碁が打てる場所に行けなくなった子供や、もともと教室が近くにない環境だった子供たち
ニーズがあったのでしょう、多い時は1コマに30名とか集まっていました。
オンライン囲碁レッスンとしては凄い人数だと思います。
慣れない状況に頭がパンクしそうになりながらも、新鮮で楽しい体験でもありました。
このネット道場の収益と、少し後に公の給付金がもらえることが分かって、胸を撫で下ろしたものです。
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▼何が幸いするか分からない▼
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コロナ禍以前の「ネット道場」の生徒は3名くらいと安定した少なさで
妻には「よく頑張ってますね(皮肉?)」と言われていました。
それがこの年だけで登録者が30名に増えて道場の救世主となり、家での私の待遇まで変わって来ました😁。
それからは妻もネット指導に乗り出して、いまや大人教室、子供教室を持つ立派な「オンライン講師」になっています。
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▼「オンラインが普通」に▼
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「ピンチをチャンスに変える」と良く言いますが
今回のは狙った成功では全くありません。
手数を多く出すこと、戦略の間口を広げておいた事は良かったのかなと思った次第です。
あらゆるサービスがオンライン化されて便利さが加速した2020年だったと思いますが
囲碁でも数々の前向きな変化が起きています。
(世界棋戦のオンライン化)
(オンライン囲碁教室が増える)
(棋士YouTuber続々登場)
(ツイッター棋士の増加)
(YouTubeでタイトル戦の中継)
今では多くの道場さん、棋士たちがオンライン指導を行うようになって
- 囲碁教室に通いたいけれど近くにない
- 家から囲碁会に参加したい
- プロ棋士にならいたい
- 強い仲間と一緒に研鑽したい
この様なニーズに応えられるようになったのでは無いかと思います。
やるしかない状況に追い込まれたことで起きた進化だと思います。
それぞれのスタイルがあって、お客さんが選べる様になっているのも良いことですね。
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▼碁会所はオンライン化できない?▼
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残念ながら大人用の囲碁サロンの方では、オンライン化が難しく
ごく一部のお客さんだけの参加となっています。
世代的にパソコンが苦手な方が多いからです。
もともと状況が厳しい業種ですし、課題はたっぷり残っています。
ともあれ2021年は、早く自由な外出が出来て、対面で好きなだけ囲碁を打てるようになることを願っています。
その後は、リアルとオンラインの融合を良い形で進めていきたいと思っています。