囲碁コラム

2018LG杯決勝三番勝負①感想

第22回LG杯朝鮮日報棋王戦 決勝三番勝負 第1局
黒  井山裕太九段
白  謝爾豪五段     188手白中押し勝ち

 

 

2度の七冠を達成し国民栄誉賞まで受賞されるという井山裕太さんが、今期世界戦の決勝へ勝ち進んだ事で、非常に注目されている。

この三番勝負に勝てば13年ぶりの日本の棋士による世界優勝、皆待ち望んでいたと思う。もちろん僕ら日本の棋士も同じ気持ちだ。

 

LG杯は本来主催の韓国で決勝戦を行うのを、今回多くのお力を頂いて開催できたという。

日本開催協賛:アーキテクツ・スタジオ・ジャパントピー実業、滝基金

協力:日本棋院、囲碁将棋チャンネル、特別後援:毎日新聞社

本当にありがとうございます。井山さんもホームで打てる事は大きいと思う。

 

張栩九段はじめ豪華メンバーでの現地大盤解説の他、ネット中継でプロの解説、さらにAIの同時に見られた。

 

パンダネット解説を担当していた私も、同時に幽玄の間で蘇耀国九段のコメントも見て、ツイッターでZenや絶芸の評価値を見ていた。

非常に面白い時代になったものだと思う。

 

日本の解説者達は黒の井山さんが優勢、で大体一致していたと思うが、AI達の判断とは大分乖離がある。また、AI同士でも評価が逆になる事があった。

 

私がリアルタイムで見ていた判断では黒の逆転負けとなるが、AI達によるとそうではない。160手の時点で全く互角の形勢だった、という認識らしい。

その後少し調べてみた感じでは、上辺黒への攻撃の厳しさ、右辺の黒地への手段を甘く見積もっていたということの様だ。これについては後日正確な解説が発表されるだろう。

 

とにかく大事なのは明日の第2局だ。日本の囲碁ファンの皆様と一緒に、井山裕太七冠の勝利を信じて、念を送りたい。

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