左下隅でMasterが打ったノゾキは「決めてしまう系」の新手法だ。これを打たれたら私なら大喜びしてしまいそうだ。
この碁に限らずいくつかの場面でこのノゾキを打っているが、周囲との関連がどれくらいあるのか、部分的に見ても損では無い決め方なのかは解らない。
その後の下辺から右下での攻撃ぶりは、私なら攻め過ぎになるのが怖いと私なら感じる打ち方だ。
地を損しながら相手の石を取りに行って、活きられてしまった時に大分形勢を損なうというパターンに、経験上なりそうに思う。具体的に先の先まで読めていないと打てない。
人間とは時間感覚が違い、AIは30秒の秒読みで僕らが数時間考えたくらいのヨミをこなせる。Masterにとっては長考して「読み切っているつもり」かも知れない。
短時間で膨大な量を読んで判断する事もすごいが、そうではなく直感でこの難しい手どころを処理して勝っているとすればそれも更に凄いことだ。