この碁では、Masterに驚かされる手があまり無い。あえて言えば右下の1子逃げ出した手(黒73)と、右上をハミ出させて隅を守った構想くらいだ。
ディープラーニングは黒魔術だと読んだことがある。
ディープラーニングで良い結果が出た、でも何故上手く行ったのかの仕組みは、作ったプログラマーにも理解できない。
それじゃあ科学では無いんじゃないの?という疑問も、ちょっと湧いてくる。
私が囲碁を学んで来た経験では、この「ブラックボックス」を使っている感覚がある。
ひとつひとつ理解して積み上げて来た部分も無くはないが、難易度が高い部分ほど「知らない間に身につけて」いる。必死に考え続けても答えを出せない問題が、放っておいて日が経つと解るようになっていたりする。
アマチュアの皆さんには、あまり原理を理解しようとし過ぎない事をお勧めしたい。
ひとつひとつ解って進めずには気が済まない、と言う真面目さも立派だが「分からない問題は頭の箱にに入れて放置」という手が、碁では中々有力だと思っている。