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ワールド碁チャンピオンシップ2019③

WGC杯の本戦が3月18日から3日間、東京市ヶ谷の日本棋院で行われた。

前日17日にプレイベントとして行われた「女流棋士+AIペア碁マッチ」も非常に面白かった。こちらで棋譜が見られる。

1回戦でDolbaram(石風)が、取られているシチョウを1回逃げた。AIがシチョウを間違えやすい事は有名だが、実際に試合で打たれるとビックリすると思う。

それで日本チームが優勢だったのだが、最後は惜しくも逆転負けとなった。

ペア碁は予期しない進行になる事が多く、気持ちの切り替えが難しい。

その点、味方のミスに動揺する事もなく淡々と最善手を目指す人工知能は、ペア碁向きと言えるらしい。

 

中国ペアの優勝が決まった後、参加棋士たちの記者会見と組み合わせ抽選が行われた。

棋士名 1回戦 準決勝 決勝
張  栩九段
申 眞諝九段
廖 元赫七段
朴 廷桓九段
柯  潔九段
劉 昌赫九段
江 維傑九段
井山裕太九段

 

張栩名人は、今や朴廷桓九段と肩を並べる、韓国のシン・ジンソ九段と対戦。ちょっと珍しい碁形になった。

黒の張栩さんが4隅を取り、右辺も潜っている。名人戦の時にも見られた、相手に中央を囲わせる作戦だ。

私などは白模様が大きく見えてしまい、とてもマネが出来ないが

「途中まで形勢に手応えを感じていた」と名人のコメントがあった。

結果が出なかったのは残念だったが、中央の地を見通せる張栩さんならではの打ちまわしだったと思う。

 

井山裕太さんの相手となった江維傑九段は、LG杯で優勝経験もある中国トップ棋士の1人だ。

白の江さんが、1から力を出してきた場面。

 

黒1から丁寧に決めて黒5が的確な返し技で、黒は突破に成功した。

 

以下白3子を取った上、白には下辺を活きる1手をかけさせ、黒12となってはハッキリ有利になった。後も危なげない勝利だったと思う。

 

そして準決勝の井山裕太ー柯洁(潔)戦。こちらは動画で喋ってみた。

何しろ碁が難しいので私が説明するには限度があるが、雰囲気だけでも伝わればと思う。

負けてしまったのは非常に残念だが、正直、江維傑九段との碁といい、柯洁九段との内容といい「井山先生全然イケている」いずれ近い内に優勝のチャンスがあると感じた。

 

決勝戦は柯洁ー朴廷桓、やはりこの2人はいつも強い。

黒の朴廷桓さんが新手を見せた。黒1ノビでは9にアタリが定型でもあり、石の形的にも打ち惜しむ理由は無いと思える所なので、非常に意外性ある1手だ。白8までとしてから時間差で黒9とアテ、どうやら黒がポイントを上げたらしい。

白8では9が正しいとウチのAI君たちは言っているが、私にはチンプンカンプンだ。

かつて星打ちは簡明な定石が多いのでオススメだと言っていたが、今は全く逆になった。難しい変化が多すぎる。

 

この後、中盤過ぎた辺りでは柯洁さんが優勢になったようだが、終盤にチャンスを逃して朴廷桓さんの優勝、3連覇となった。柯洁さんは後半に全く間違えないイメージがあったが、少しミスが出るようになったのかも知れない。

 

このWGC杯では、大盤解説会も大盛況だったと聞く。やはり世界戦を間近で見たい囲碁ファンはとても多いのだろう。

我らが井山裕太先生も、日本開催の時の方が勝ちやすそうに見える。

協賛していただいている各社の皆様に感謝するとともに、これからも是非よろしくお願いします、とお伝えしたい。

来年も楽しみだ。

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