古力九段が中央を囲って戦った一局。
囲碁では普通、碁盤の端側を囲う。これは、端からは相手が入って来ないからだ。
僕らは双方の地の、想定図を頭に描いて何目出来るか数え、形勢を判断する。
隅や辺の地は確定しやすく、数えやすい。
中の地は、四方からの侵入を考えないとならない。
急激に増える事もあれば、大きく目減りする事もあり、見通しが立ちにくいのだ。
Masterは良く中地をまとめて勝つが、本局では相手に囲わせて勝っている。
多分、地を数えているのでは無いと思う。中盤から終局まで何万通りかシミュレーションして確認している。
僕らでも、優劣の判断がつかないときに、その局面から手順を進行させて確認すると見えやすくなる。同局面から10回や20回打ってみれば、初めて見た時より大分掴めてくるものだ。
囲碁の手順の総組み合わせ数からすれば、万はとても小さい。
それでも、とても羨ましい能力だ。これくらい形勢が分かっていたら、打っていて楽しいだろうと思う。