隅の地は1手では確定出来ない。
2手かけて地を作る方法として、小目からケイマで構える手が、古来から現在まで変わらず打たれている。10目ほどの地を確定できるのに加えて、辺への勢力にもなる。
大ゲイマジマリはそれより1路広いから、隅の囲いが大きく、外側への影響力も強い。
もちろんマイナス面もあって、広い分薄い。中に手が残っているので、いつまでも確定地として勘定しにくい。
小目のケイマジマリなら、もう中に入る手は無いから、カタツキ、ツケ等外から利かして堅めて惜しくない。
本局でMasterは、大ゲイマジマリにカタツキを打った。大きく構えたのに外から利かして堅めたのだ。
秀行先生がこの手を見たら飛び上がって驚くだろう。仮にこれを私が打ったとしたら、どれだけ叱られるか分からない。
勝ったからと言って、これが本当に損では無いと信じすぎてはいけないが、こんな手を見せられては、ケイマにシマる手が馬鹿らしくなってくる。
実際に最近の棋士の対局では、広いシマリが多用され出している。小さく堅く構えるのは損だということか。
いや、そうではない。Master自身もケイマジマリを沢山、打っているのだ。
つまり「碁の布石は何でもあり」。どう打っても良い勝負になる。結局これなのだろう。
それにしても、と思ってしまうのが、本局の鷹揚なカタツキだ。