古力九段は著名な中国の棋士で、何度も世界戦で優勝している。
野狐の30局に於いて、まとめ役をされていたと思う。柯洁九段と共に最多回数登場している。
右下隅での白18ツキアタリは従来のセオリーでは悪手なのだが、セオリーには常に例外がある。
解っていたつもりでも、僕らはセオリーにとらわれ過ぎていると考えさせられる。
しかし、良い手なのだろうと思っても、そのツキアタリを打つ事に大きな抵抗がある。手がそこに行かないのである。
筋良く、形良く打っていれば、ある程度の良さが確保される。大きく外す事が少ない。これがセオリーの良さである。
碁のセオリーを身につけるのは大変だが、いったん身につくとその影響から離れる事が易しくない。
「固定観念に気をつけなくてはならない」藤沢秀行先生がよく仰っていた言葉が思い出される。