Masterの60局感想

Masterの棋譜感想19

僕らは、経験で身につけてきた知識や常識で、ある程度選択肢を狭めて碁を打っている。全ての手を、先を読んで結果を判断して、とやってたら1局に途轍もない時間が掛かってしまう。そうするには碁はあまりに広すぎるのだ。

 

持っている知識が偏っていて、見落とす選択肢が多かったとしても、囲碁の場合はそれ程大きく結果を損なわないのではないか。

好みや性格、自分が打ちたい囲碁の方向性がハッキリしている方が、早く決断できてヨミを絞れるプラスが大きく、有利だと考えている。

 

 

人間の上手下手の差は、囲碁自体のスケールの中では微小であると思う。

分からない者同士が暗中模索して打つなかで、中途半端に広い視点を持つものよりも、己の目の前の狭い穴を深く正確に掘る方が勝てる面もある。

 

 

Masterはどうやって打つ手を決めるのだろうか。卓越した形勢判断能力で短時間にあらゆる手を選択肢に載せ、判断する事ができるのだろうか?

何れにせよ、人間の様に選択肢を狭める必要がないので、固定観念なく色んな新しい打ち方を見せてくれる。

この新しい知識が、学ぶ選手にとってプラスになるかどうか、難しいところと思う。どれを取り入れて、どれを捨てるのかの判断も難しい。

あまりにも「碁は何でもありだ」となって来ると、打つ手を決められなくなって来る。知る事は喜びだが、悩みもまた付いて来るのだ。

 

 

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