囲碁コラム

LG杯準決勝井山ー柯洁戦感想

久しぶりに日本の棋士が、世界戦の決勝に進出した。10年以上絶えていたことだ。

非常に嬉しかったニュースなので、当サイトでも取り上げてみたい。

 

韓国主催のLGの杯、ご覧になれば分かると思うが、まず参加している日本棋士が少ない。予選を通る事自体が非常に難しい為だ。ほぼ毎回、シードの2,3名のみが参加する。

日本の最強者である井山裕太さんは、今年2度めの七冠制覇を達成して、国内無敵の強さを誇る。

それだけにスケジュール調整が難しく、世界戦への参加が限られてしまっていた。

2013年に早碁棋戦である、テレビアジア選手権で優勝しているものの、一般の世界戦優勝はまだない。

 

何とか世界戦に出られるよう、井山さん自ら主催社にお願いをして、今年は5棋戦出られるようになったと聞く。

 

世界最強者、柯洁九段と井山さんは、日中の頂上決戦として何度か対戦しているが全て柯洁九段が勝っていた。

 

10年ぶりの日本開催となった今回のLGの杯準決勝で、ついに井山七冠が勝った。

これは僕ら日本棋士やファンの喜びも非常に大きいが、今後の日本囲碁復活に向けても大きな勝利だと思う。

 

この嬉しい1局を、私なりに紹介してみたい。

 

 

揺るがない優位を築いた後に、不要に際どい変化へ踏み込み、すわ逆転か?と思われる場面があり、検討していた僕らも、心臓が締め付けられる思いをした。

 

井山さんでも、柯洁さんに勝てると思うと、心穏やかでは居られなかったのではないか?

柯洁さんがAlphaGoに勝ちそうになった時も、動機が激しくなり、思わず心臓をおさえたという。それこそが人間の闘い。

 

決勝三番勝負の相手は中国の謝爾豪五段(19)。2月に韓国で行われる。

出来るだけ良い環境で打てるよう、皆で精一杯配慮して、良い結果を祈りたい。

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